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ドーバーの店員から「ファンタビ」最新作出演へ 気鋭俳優カラム・ターナーがつかんだサクセスストーリー

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「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズの生みの親、J・K・ローリング(J. K. Rowling)原作の映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズの最新作、「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald以下、ファンタビ)」が11月23日に全国で公開された。ジョニー・デップ(Johnny Depp)やジュード・ロウ(Jude Law)、エズラ・ミラー(Ezra Miller)、ゾーイ・クラヴィッツ(Zoe Kravitz)、そして主人公のニュート・スキャマンダー(Newt Scamander)を演じるエディ・レッドメイン(Eddie Redmayne)ら著名な俳優が出演する中、主人公の兄テセウス・スキャマンダー(Theseus Scamander)役に抜擢されたのが、カラム・ターナー(Callum Turner)だ。

ターナーは、過去にも「さよなら、僕のマンハッタン(The Only Living Boy in New York)」や「浮草たち(Tramps)」といった映画にも出演してきたが、大ヒットシリーズに出演するのは今回が初めてだ。いわゆる“インディーズ”俳優から一気に注目されることになったターナーに、これまでと今の心境、そしてこれからを聞いた。

インタビュー場所のニューヨーク・ミッドタウンのホテル「ザ ロンドン NYC(THE LONDON NYC)」にやってきたターナーは、カジュアルなネイビーのシャツにジョガーパンツ、「アディダス(ADIDAS)」のスニーカーというリラックスした格好で現れた。ロンドンのチェルシーで生まれ育ったターナーは、映画好きな少年だったが、俳優になることは20歳になるまで考えたことがなかったという。16歳で高校を卒業し、サッカーに1年間没頭した。その後「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」のモデルを務め、ドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)でセールススタッフとして働くことになった。

「僕は本当にどうしようもなかったよ。2年半働いた後、結局クビになってしまった。遅刻してばかりだったから、その罰としてね」と店員時代を振り返る。だがクビになってすぐに、ターナーは初めてプロとして映画の役をつかんだ。その映画の撮影場所はロンドンから遠く離れたニュージーランドのクック諸島だったが、「とりあえず何が起きるか見てみようという感じだった」という。

しかし“とりあえず”で始めた俳優業は、ターナーが学校を卒業して以来、求めていたものだった。「7歳か8歳のころ学校に行かなくてもいいことに気づいたんだ。学校はなんというか、僕には合わないし閉じ込められてると思ってて、とにかく逃げ出したかった。だから学校にいなきゃいけないことに不満を感じてた。学校の社会的な面は好きだけど、僕が勉強したことのほとんどは自分で学んだことだった。だからこそ、閉じ込められてると感じない俳優業は僕にぴったりだったんだと思う」と語る。

共演者たちと同じく、自身のキャリアもブレイクすること間違いなしの大ヒットシリーズへの出演の切符をつかんだターナーだが、「結局のところ、僕は自分の仕事をするだけ。楽しんで演じて、プレッシャーは振り払えばいい。だから小規模のインディペンデントな映画に出演している気持ちで演じた。本当に素晴らしい人たちと一緒に仕事をしていると、それに慣れてきてしまう。でも、その慣れは取り除かなきゃいけない。『さよなら、僕のマンハッタン』ではジェフ・ブリッジス(Jeff Bridges)と共演したんだけど、初日はめちゃくちゃ緊張してたよ。だから2日目のリハーサルには、その緊張を全て消して挑んだ」と心構えを語った。

しかしインディーズ映画の俳優気分でいられたのは、世界中からファンがつめかけたニューヨークの映画プレミアで、魔法生物のタトゥーを入れたファンたちを目の当たりにするまでだったようだ。「(これまでとは)違ったよ。僕はこんな高い関心を持たれるレベルにまで行ったことがなかった。けど映画に夢中になっている人たちと話すことができてよかった」とターナー。「ファンタビ」の公開関連の仕事を終えた後はロンドンに戻り、BBCのTVシリーズ「The Capture」の撮影に入るという。

ロンドンに戻る前にニューヨークでやりたいことを聞くと、「ボクシングジムに行くつもりだけど、めちゃくちゃ不安だよ」とターナー。というのも、ネットフリックス(NETFLIX)のドラマ「ザ・クラウン(The Crown)」に出演した女優、ヴァネッサ・カービー(Vanessa Kirby)と交際中のターナーは以前、彼女にどこへ行くか知らされずにサイクリングジムに連れてかれて「死にそうだった。その日映画の撮影もあって、月曜日には動けなかった」からだという。しかし、「今回はそうはならないけどね」とターナーは笑う。